マッラ(英語表記)Malla

改訂新版 世界大百科事典 「マッラ」の意味・わかりやすい解説

マッラ
Malla

古代北インドの部族。前6世紀ごろマッラの国家は〈十六大国〉の一つであったが,釈迦在世中にはパーバーPāvāとクシーナーラーKusīnārā(クシナガラ)をそれぞれ都とする両勢力に分裂していた。分国のいずれにおいても部族共和制(サンガ)を採用し,公会堂集会を開いて重要問題を決定している。クシーナーラーはまた釈迦入滅の地としても名高い。マッラ国は南隣のマガダ国に滅ぼされたが,その滅亡年は明らかではない。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のマッラの言及

【ネワール】より

…彼らは古くから都市文明を培い,シャハŚāh王朝による現ネパール王国の統一(1768∥69)以前に盆地とその周辺を版図とするいくつかの王朝を築いた。7世紀前後数世紀にわたって存在したリッチャビLicchavi王朝の繁栄は中国の史書にも見え,また13~18世紀のマッラMalla王朝時代には建築,彫刻などの工芸や学問が開花した。今日ネワールは一般に商才にたけた人々として知られ,全人口の半数近くが盆地外の町に進出し,商業,官庁勤め等の仕事に携わっている。…

※「マッラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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