マチン科(読み)まちんか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マチン科」の意味・わかりやすい解説

マチン科
まちんか
[学] Loganiaceae

双子葉植物、合弁花類。草または常緑の木。葉は対生し、全縁で基部に托葉(たくよう)状の突起がある。花は4、5数性で放射相称。雄しべは花筒内に付着する。花柱は先が2裂し、子房は2室。果実蒴果(さくか)、石果または液果。熱帯を中心に18属約500種あり、日本にはアイナエ属2種、ホウライカズラ属3種、オガサワラモクレイシ属1種が分布する。また東南アジアに分布するマチン属のマチン(馬銭)は猛毒のストリキニーネをもつので知られる。フジウツギ属が本科のものとして扱われることがあるが、別の科(フジウツギ科)である。

[山崎 敬 2021年5月21日]

 APG分類でもマチン科とされる。フジウツギ科と同一にされていた時期がある。Gelsemium属はゲルセミウム科として独立した。この分類による2018年のデータでは世界に13属約420種あり、日本には3属6種が分布する。

[編集部 2021年5月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マチン科」の意味・わかりやすい解説

マチン科
マチンか
Loganiaceae

双子葉植物リンドウ目の1科。古くはフジウツギ科を含めて広義のフジウツギ科とされたが,近年の分類では狭義のフジウツギ科を独立させて,残りの大半をマチン科としている。おもに新旧両大陸の熱帯に7属約 130種がある。高木低木,草本,つる植物など多様であるが,いずれも単葉を対生し,4~5数性の両性花をつける。果実は蒴果液果となる。日本にはホウライカズラ属 Gardneria,アイナエ属 Mitrasacmeなどが本州以南の暖地琉球列島に自生する。南アメリカ熱帯で矢毒の原料として有名なクラーレ Strychnos toxiferaもかつては広義のこの科に入れられたが,今日では独立科 Strychnaceaeとされることが多い。

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