マチン(馬銭)(読み)マチン(英語表記)Strychnos nuxvomica; strychnine tree

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マチン(馬銭)」の意味・わかりやすい解説

マチン(馬銭)
マチン
Strychnos nuxvomica; strychnine tree

フジウツギ科の常緑中高木。インド,スリランカ,オーストラリア北部に分布する。幹は太く曲り,樹皮は灰色。葉は大きくて対生し,革質で全縁,長さ 10cmほどの広楕円形ではっきりした3~5本の脈が走る。花は緑白色で小さな筒形をし,小枝の先に集散花序をなして密生する。強い臭気を放つ。液果は径 5cmほどの球形で赤褐色,中に扁平でビロード状の短毛をつけた種子を生じる。種子はストリキニン,ブルシンなどのアルカロイドを含み,猛毒性のある薬物として知られる。なおストリキニンは葉,樹皮,材にも存在する。材は堅く,このストリキニンが含まれるのでシロアリに侵されないといわれる。

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