マタラム王国(読み)マタラムおうこく(英語表記)Mataram

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マタラム王国」の意味・わかりやすい解説

マタラム王国
マタラムおうこく
Mataram

中部ジャワの2つの王国。 (1) 8世紀前半から 10世紀まで続いたヒンドゥー系の王国。同地方の仏教王朝シャイレーンドラ朝スマトラシュリービジャヤ王国との政略結婚の結果,ジャワからスマトラに本拠を移したため,サンジャヤという王の血統がこれに代って支配を確立したもの。サンジャヤ朝ともいう。 (2) 16世紀末から 18世紀なかばまで栄えたイスラム系王国。マジャパイト王国滅亡に導いたジャワ北岸のイスラム系小国家群の盟主で,第3代の王スルタン・アグンのとき,ジャワの大半を領したが,17世紀後半以後しばしば内紛を起し,そのたびにオランダ介入領土の縮小を招き,1755年に領土を2分された。

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旺文社世界史事典 三訂版 「マタラム王国」の解説

マタラム王国
マタラムおうこく
Mataram

1580年代〜1755
ジャワ中部から東部に展開したイスラーム王国
マタラム−イスラームともいう。17世紀前半の王アグンの治世最盛期で,版図は最大になり,スルタン称号も得た。しかし,その後内紛が繰り返されたため,オランダ東インド会社に海岸の港市だけでなく豊かな稲作地帯も侵食され,1755年に王国は二分されて消滅した。

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