日本大百科全書(ニッポニカ) 「マゼラン(惑星探査機)」の意味・わかりやすい解説
マゼラン(惑星探査機)
まぜらん
Magellan
金星表面の詳しい地表図を作成することを目的とした惑星探査機。1989年5月にNASA(ナサ)(アメリカ航空宇宙局)により打ち上げられた。スペースシャトル・アトランティスに搭載されて地球周回軌道上に運ばれ、アトランティスから固体ロケットで金星に向け打ち出された。1990年8月に金星周回軌道に到着している。金星は厚い大気に覆われ、金星表面の詳細な地形図がわかっていなかった。マゼランは合成開口レーダーを使い、金星のほぼ全域にわたり、高解像度の詳細な地形図を作成した。マゼランの大きさは1.5×0.9×0.3メートルで、打上げ時の質量は3349キログラム。直径3.7メートルの高利得アンテナとレーダーアンテナを備える。1994年9月に金星大気の抵抗を使って速度を落とす技術を用いて、高度を下げる実験を行い、より低高度での観測を実施、同年10月には金星大気に突入して消滅した。
[編集部 2023年4月20日]
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