マスペロ(Henri Maspero)(読み)ますぺろ(英語表記)Henri Maspero

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

マスペロ(Henri Maspero)
ますぺろ
Henri Maspero
(1883―1945)

フランスの東洋学者。とくに中国の宗教・歴史の専門家。パリ生まれ。エジプト学者ガストン・マスペロ子息。1911年ハノイのフランス極東学院教授、20年コレージュ・ド・フランス教授に昇任。東南アジアの諸言語、仏教道教、中国史など幅広くアジアの言語・文化を研究した。なかでも『古代中国』(1927)は、紀元前3世紀までの歴史上の新しい問題を指摘した名著といわれている。ベトナム漢籍史料を駆使した安南王朝史、音韻の問題、山岳民族の習俗などについての論文を多数『フランス極東学院紀要(BEFEO)』に掲載した。第二次世界大戦の末期、ドイツ軍に捕らわれドイツ東部のブーヘンワルト強制収容所死去。28年(昭和3)来日し、30年まで日仏会館の館長を務めた。

石澤良昭

『川勝義雄訳『道教』(平凡社・東洋文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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