マシフサントラル(英語表記)Massif Central

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マシフサントラル」の意味・わかりやすい解説

マシフサントラル
Massif Central

フランス中南部の高原状の山岳地帯。「中央山地」を意味する。面積 8万6000km2。西にアキテーヌ盆地,北にパリ盆地ロアール川河谷,東にローヌ川ソーヌ川河谷,南はラングドックの地中海沿岸地域に囲まれ,フランス国土のほぼ 6分の1を占める。標高 600~900mの高原が大半を占め,最高峰はピュイドサンシー(1885m)。山地はヘルシニア期(→ヘルシニアン造山運動)に形成され,コース地方の石灰岩,ロアール川上流域の砂岩などはのちの堆積物である。またピュイと呼ばれる円頂の火山丘の多くは新第三紀の火山活動の痕跡を示し,ピュイドドーム県中西部のピュイドドーム(1465m)を中心とする火山列(シェン・デ・ピュイ)とそれに並行する断層は 2018年世界遺産の自然遺産に登録された。高地ヒツジの飼育が盛んで,オーベルニュ地方のカンタル県やブルーサンネクテール,アベロン県のロクフォールなどでは有名なチーズが生産される。近年ダム建設が進み,電力,灌漑など水力開発が盛ん。条件のよい斜面や谷ではサクランボやブドウやコムギ,ジャガイモ,サトウダイコンなどがつくられている。

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