マカリオス[3世](読み)マカリオス

百科事典マイペディア 「マカリオス[3世]」の意味・わかりやすい解説

マカリオス[3世]【マカリオス】

キプロスギリシア正教会の大主教,初代大統領。本名ミハイル・ムースコス。キプロスの西端パフォス近郊のアノ・パンキュイア生れ。アテネ大学で神学と法律学を,ボストン大学で神学を学んだ。1946年聖職につき,1948年キティオンの主教に,1950年大主教に就任。キプロスには18世紀後半からトルコ系住民を排しギリシア系住民によるギリシアとの合体を求めるエノシス運動があったが,1925年から英国の直轄植民地になると,エノシス運動を中核とする反英民族主義運動となった。マカリオスはこの指導者として活躍,1955年英国によりセーシェル諸島に追放され,翌年釈放。1959年キプロスの独立が認められると熱烈な歓迎の中を帰国。ギリシア・トルコ暫定政権下でギリシア・キプロス第1首相となり,同年大統領に選ばれた。1974年クーデタで一時政権の座を追われるが,同年末には大統領に復帰,死去するまでその職にあった。その死後,大主教と国家元首の地位は分離された。

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