マオン(読み)まおん(英語表記)Mahón

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マオン」の意味・わかりやすい解説

マオン
まおん
Mahón

ヨーロッパの地中海西部、スペインバレアレス諸島第二の島メノルカ島の中心都市。同島東端の狭い入り江であるカラ湾の奥、標高50メートルに位置し、天然の良港をもつ。港は石炭の積み下ろし港、スペイン本土などとの航路の発着点となっている。ギリシア時代以来の多くの遺跡があり、海岸保養地としても知られる。チーズ製造を主とした食品工業、麻やエスパルトグラス(アフリカハネガヤ)を用いたものやゴム製の履き物銀細工など伝統的な手工業がみられる。

田辺 裕・滝沢由美子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マオン」の意味・わかりやすい解説

マオン
Mahón

スペイン東方,地中海西部のバレアレス諸島に属するメノルカ島の町。同島の南東部に位置し,行政上はバレアレス州,バレアレス県に属する。地中海の美しい港の一つで,18世紀にイギリス領であったため,現在もジョージ王朝風の白い石の家が並ぶ。製靴業人造宝石,真珠の生産,ジンの蒸留が盛ん。近郊では農業牧畜が行われ,マオンのチーズは有名。人口2万 1564 (1991推計) 。

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デジタル大辞泉プラス 「マオン」の解説

マオン

《Mahón》スペインのバレアス諸島のメノルカ島で生産されるチーズ。形は丸みをおびた長方形。セミ・ハードタイプ。名称産地の港の名前から。

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世界大百科事典(旧版)内のマオンの言及

【マヨネーズ】より

…食酢と植物油を,卵黄のレシトプロティンを乳化剤として乳化した調味料で,主としてサラダや冷たい魚貝料理や肉料理に用いられる。語源については,地中海のメノルカ島の住民が食べていたのを,同島の主邑マオンに寄港した船乗り,あるいは1756年同地を占領したフランス軍がマオネーズとして広めたとか,フランスのバイヨンでつくられてバヨネーズと呼ばれていたなどとする説があり,いずれもその語がマヨネーズに変わったとしている。酢はワイン酢,リンゴ酢,麦芽酢その他,油は綿実油,ダイズ油などのサラダ油が使われ,食塩,からし,コショウ,化学調味料などを加える。…

※「マオン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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