マインドフルネス瞑想(読み)まいんどふるねすめいそう

知恵蔵 「マインドフルネス瞑想」の解説

マインドフルネス瞑想

今この瞬間の精神状態や身体的感覚に意識を集中させることで、ストレスを軽減させ、集中力を向上させる瞑想(めいそう)法。仏教起源を持つが、宗教神秘主義とは一線を画しており、座禅のような厳しい修行も求められない。無我境地などではなく、自身の「気づき」を重んじる。ストレスやうつ病の治療・予防方法としての科学的な研究が進められており、呼吸法を中心とした短時間のプログラムで一定の効果が出るという評判から、アメリカでは便利な脳の休息法として、多くの企業・団体で採り入れられている。
実践プログラムを開発したのは、ジョン・カバットジン(マサチューセッツ大学医学校名誉教授)。禅やヨガなどの豊富な瞑想体験から、1979年にマインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)として大学内のクリニックに導入した。その後、行動医学の分野で評価され、認知行動療法の一つとして浸透していった。2010年代になると、GoogleMicrosoftFacebookなど最先端のIT企業が社員のストレス対処法として研修プログラムに採用。米TIME誌を初め、多くのメディアで採り上げられ、海外でも知られるようになった。なかでもGoogleは、サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)という独自の実践プログラムを開発するなど、マインドフルネスの普及一役買っている。

(大迫秀樹 フリー編集者/2017年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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