大学事典 の解説
マイアミ・デイド・カレッジ［アメリカ］
フロリダ州マイアミ・デイド郡に所在し，学生数16万人超，八つのキャンパスと多数のアウトリーチ・センターを有する全米最大規模の州立コミュニティ・カレッジ。1959年，当時の人種差別撤廃運動とキューバ難民の大量流入を背景に，オープン・アドミッション・ポリシーのもとで，高卒資格を持つ郡内のすべての住民を受け入れてアソシエート学位を提供する機関として，デイド郡ジュニア・カレッジ（アメリカ）の名称で創設。新入生1428人で出発したが，1967年までに学生数2万3000人超で三つのキャンパスを持つ州最大の高等教育機関に成長。1970年代には「卓越のもとでのアクセス」の理念を確立し，全米のコミュニティ・カレッジの模範と目される。1963年にマイアミ・デイド・ジュニア・カレッジ，73年にマイアミ・デイド・コミュニティ・カレッジ（アメリカ）へと改称。その後も，大学病院に接するコメディカル課程センターや郡内を網羅するアウトリーチ・センターの設置，インターネットによるバーチャル・カレッジの開設，学力優良者を有力大学に転入させるオーナーズ・カレッジや高校生に授業を提供する上級学習学校（SAS）の展開など，郡内の多様な高等教育需要に応える革新を続ける。2003年一部にバチェラー学位課程を導入し，現在の名称となる。1990年代中葉の州財政緊縮以来，卒業生を中心に設立した財団が財政を支える。州内28の公立カレッジを束ねるフロリダ・カレッジ・システム（FCS）の一員。
著者: 舘 昭
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報