ポーポー(読み)ぽーぽー(英語表記)pawpaw

翻訳|pawpaw

デジタル大辞泉 「ポーポー」の意味・読み・例文・類語

ポーポー(pawpaw/papaw)

バンレイシ科の落葉小高木。葉は長卵形。春、葉より先に紫褐色の花を開く。秋に、アケビのように円筒形果実が2、3個ずつつき黄色に熟するが、裂けることはない。果肉甘みと香りがある。北アメリカ原産。あけびがき。ポポー

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精選版 日本国語大辞典 「ポーポー」の意味・読み・例文・類語

ポーポー

〘名〙 (pawpaw) バンレイシ科の落葉小高木。北アメリカ原産で、日本でも果樹としてまれに栽植されている。高さ一〇メートルに達する。葉は短柄をもち、長卵形で長さ一五~三〇センチメートル。春、葉に先だって暗紫色で径約五センチメートルの鐘形花が下向きに咲く。アケビのような果実は長さ七~一五センチメートル、乳白色の果肉は食べられ芳香甘味がある。あけびがき。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポーポー」の意味・わかりやすい解説

ポーポー
ぽーぽー
pawpaw
[学] Asimina triloba (L.) Dunal

バンレイシ科(APG分類:バンレイシ科)の落葉小高木。ポポーともいう。アメリカ南東部原産。葉は卵形または長卵形で長さ15~30センチメートル、先は丸く、表面は平滑である。4~5月、葉が出る前に、黒褐色で径約2センチメートル、雌蕊(しずい)先熟の両全花を開く。果実は9~10月に熟し、長楕円(ちょうだえん)形で長さ約15センチメートル。一果から数果が房状につき、可食部は乳白色でバナナに似た香りがあり、赤褐色の種子が多数ある。

 花は強い自家不和合性があり、果実を得るためには2系統以上を混植する必要がある。直根性で肥沃(ひよく)土では大樹となる。繁殖は実生(みしょう)により、5~6年で結果樹となる。本州中部地方以西では栽培できる。アメリカでは庭園樹として栽培されることが多い。

 なおpawpawはスペイン語ではパパイヤをさすので、混同されることが多い。

[飯塚宗夫 2018年7月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポーポー」の意味・わかりやすい解説

ポーポー
Asimina triloba; papaw; pawpaw

バンレイシ科の落葉高木。フロリダテキサスなどアメリカ中南部原産の果樹で,アメリカでは高さ 10m以上になるが,日本では 4m程度。葉は長さ 10cmあまりの卵状長楕円形で互生する。4月頃,葉に先立ち径 3cmほどの紫褐色の6弁花をつけ,10月頃アケビに似た円筒形の果実を結ぶが,アケビのように開裂はせず黄色く熟する。果肉には特有の香気があり,きわめて甘い。普通生食するが,アメリカではジャム製造にも用いる。明治年間に日本に渡来したが,各地で栽培されるようになったのは近年である。

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デジタル大辞泉プラス 「ポーポー」の解説

ポーポー

沖縄県の郷土菓子。小麦粉を水で溶いたものをクレープのように薄くのばして焼き上げ、アンダンスー(油味噌)を入れて葉巻のようにくるくると巻いた菓子。「炮炮」とも表記する。

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世界大百科事典(旧版)内のポーポーの言及

【ポポー】より

…ポーポーともいう(イラスト)。バンレイシ科の温帯に適した落葉果樹。…

※「ポーポー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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