ポルフィン

化学辞典 第2版 「ポルフィン」の解説

ポルフィン
ポルフィン
porphine

C20H14N4(310.35).ヘモグロビンシトクロムクロロフィルなどに共通の基本骨格物質.ピロールホルムアルデヒドとをピリジン中で加熱するか,2-ピロールカルバルデヒドをギ酸中で加熱して調製する.暗赤色の板状晶.融点360 ℃ 以上.ピリジン,ジオキサンフェノールに可溶,クロロホルムに微溶,メタノールに不溶.環上の水素が種々の基で置換されたものをポルフィリンという.[CAS 101-60-0]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポルフィン」の意味・わかりやすい解説

ポルフィン
porphine

化学式 C20H14N4 。ポルフィリン系物質の前駆体。4つのピロール環をメチン基で結合した環状化合物。化学的には,2-アルデヒドピロールをギ酸とともに加熱して得られる。暗赤色の光沢ある葉状晶。ピリジン,ジオキサン,フェノールによく溶け,クロロホルム,氷酢酸にはわずかしか溶けない。アセトンメチルアルコールエーテルには不溶,塩酸とは1:1.7~3.3の割合で結合する。

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世界大百科事典(旧版)内のポルフィンの言及

【錯体】より

…表2におもなものをあげる。1,7‐CTHは1960年ころにつくられた環状四座配位子で種々の金属と安定な錯体を形成するが,自然界に存在する巨大環状配位子錯体であるクロロフィルやヘムの骨格であるポルフィンあるいはシアノコバラミン(ビタミンB12)の骨格であるコリンと似ていて興味深い。(化学式) 変わった配位子としては69年発見されたクリプタンド(錯体をクリプタートという)やクラウンがあり,アルカリ金属やアルカリ土類金属と錯体をつくる。…

※「ポルフィン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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