ポリスキアス(英語表記)Polyscias

改訂新版 世界大百科事典 「ポリスキアス」の意味・わかりやすい解説

ポリスキアス
Polyscias

ウコギ科タイワンモミジ属Polysciasの植物。熱帯アジア~ポリネシアに約80種があり,多くは常緑低木である。アラリアAraliaの名で呼ばれることが多い。鉢物としての利用は少なく,観賞温室などでみられるのは,ポリスキアス・バルフォウリアナP.balfouriana Baileyの園芸品種で,長円形葉に白斑の入るフクリンアラリアcv.Marginata,葉全体が黄色をおび,葉脈が白黄色となるペンノッキイcv.Pennockiiと,オオバアラリアP.guilfoylei (Bull) Baileyの園芸品種で,葉先が細くとがり,細い白覆輪で鋸歯縁となるシダレアラリアcv.Laciniata,さらに小型種で,小葉の切れ込みも多く,葉の柔らかいキレハアラリアcv.Victoriaeなどである。ポリスキアス・フィリシフォリアP.filicifolia (Moore) Baileyは熱帯地域では美しい黄色葉になるが,温室栽培では緑葉になってしまう。いずれの種もあまり強い光は好まず,半日陰で湿度の高い状態を好む。挿木で殖える。アブラムシ,カイガラムシ,ハダニが発生しやすい。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポリスキアス」の意味・わかりやすい解説

ポリスキアス
Polyscias

ウコギ科ポリスキアス (タイワンモミジ) 属の総称。ポリシャスまたは旧属名のアラリア Araliaの名で呼ばれることも多い。東南アジアやポリネシアなどの熱帯に約 80種が分布。常緑小高木または低木で,葉に独特の芳香がある。葉は羽状複葉であるが,幼苗期は単葉のものもある。3出複葉と単葉が入り混り,幹の下部から頂部まですきまなく葉がつくポリスキアス・バルフォリアナ P.balfourianaには`フクリンアラリア'や`ペノッキー'などの品種がある。ほかにキレハアラリア P.filicifoliaやポリスキアス・パニクラータ P.paniculata,ホソバアラリア (タイワンモミジ) P.fruticosaなど,さまざまな葉形のものが栽培され,観葉植物として鉢植えが流通する。高温多湿を好む。夏は半日陰におき,冬はなるべく日に当てる。越冬には 10℃以上が必要である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポリスキアス」の意味・わかりやすい解説

ポリスキアス
ぽりすきあす
[学] Polyscias

ウコギ科(APG分類:ウコギ科)の不耐寒性常緑小高木または低木。園芸界ではタイワンモミジまたは旧属名のアラリアAraliaの名でよばれることが多い。東南アジアから南太平洋諸島の熱帯に80種分布する。このうち約10種が観葉植物として利用される。全株に独得の芳香があり、料理に使うほか、熱帯地方では庭園樹や生け垣として利用される。葉幅の広いバルフォリアーナP. balfouriana L.H.Bailey の斑(ふ)入り種、キレハアラリアP. filicifolia L.H.Bailey の黄葉品種、ホソバアラリアP. fruticosa Harmsなどが、観葉鉢物として賞用されている。

[植村猶行 2021年11月17日]

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