ポリシロキサン

化学辞典 第2版 「ポリシロキサン」の解説

ポリシロキサン
ポリシロキサン
polysiloxane

シロキサン結合-O-Si-を主鎖にもち,全部または一部の側鎖に有機基をもつポリマーの総称.主鎖のSi原子による無機的性質と置換基による有機的性質をかねそなえ,耐熱性,耐薬品性にすぐれた,工業的価値の高いポリマーである.一般的合成法としては,ジメチルジクロロシラン加水分解して得られる環状四量体(五,六量体など)に,硫酸などを添加して開環重合させることにより,ポリ(ジメチルシロキサン)が得られる.シリコーンゴムの原料であるシリコン生ゴムは,この方法によって得られた分子量40万~50万のポリマーである.工業的に利用されているシリコーン樹脂は,側鎖にフェニル基を導入して,耐熱,耐炎性を向上させたり,また有機置換基としてあらかじめメチルトリクロロシランやシラントリオールなどを加えて架橋を行わせるものや,ビニル基などを導入することによって耐熱性の向上をはかるなど,種々の工夫がなされている.Si-H結合をもつ (H2SiO)n は,シランジオールH2Si(OH)2,またはシラントリオールHSi(OH)3の脱水縮合などによってつくられるが,酸,アルカリに弱く,グリニャール試薬のような有機金属化合物と反応して,シロキサン結合が切断されて有機基が導入される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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