化学辞典 第2版 の解説
ポリ(ヘキサメチレン=アジポアミド)
ポリヘキサメチレンアジポアミド
poly(hexamethylene adipamide)
ナイロン66ともいう.溶融重縮合,溶液重縮合,界面重縮合のいずれの方法によっても合成できるが,工業的には主として溶融重縮合によっている.アジピン酸とヘキサメチレンジアミンを水中で等モル反応させてナイロン塩水溶液をつくり,ついで高温加圧下で重縮合を行うが,それは二分子平衡反応であり,したがって高分子量のポリマーを得るためには系内の水を除去する必要がある.
各種有機溶剤には比較的安定であるが,酸および酸化剤には容易に侵される.ほかの合成繊維に比べて酸素の攻撃を受けやすく,熱および光により劣化する.繊維は結晶化度20~40%.密度1.14 g cm-3,ヤング率250~400 kg mm-2 で耐疲労性がとくにすぐれており,タイヤコードのような連続的な応力を受ける場合にとくに適している.[CAS 32131-17-2]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報