化学辞典 第2版 「ポリ(オキシメチレン)」の解説
ポリ(オキシメチレン)
ポリオキシメチレン
poly(oxymethylene)
略称POM.ポリホルムアルデヒド,アセタール樹脂ともよばれ,の一般式で示される化合物.合成法は古くから知られていたが,熱安定性に欠けるため,実用化されていなかった.しかし,原料であるホルムアルデヒドをよく精製し,末端基をヘミアセタール形の-OH基から,にかえて安定化させることによって実用化に成功し,フィルムなどとして製品化されている.ホルムアルデヒドのかわりに,精製が容易なトリオキサン(ホルムアルデヒドの三量体)を用いることもある.合成法は,ホルムアルデヒドあるいはトリオキサンと0.003~0.1重量% 程度の三フッ化ホウ素を,30 min~5 h,50~90 ℃ で反応させ,その後,無水酢酸中でピリジンなどを触媒として,エステル化する.性質としては,耐油,耐水,耐化学薬品性がすぐれているばかりではなく,強靭で,熱変形温度も高く,数々のすぐれた特長をもっている.[CAS 9002-81-7]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報