ポランニー(Michael Polanyi)(読み)ぽらんにー(英語表記)Michael Polanyi

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ポランニー(Michael Polanyi)
ぽらんにー
Michael Polanyi
(1891―1976)

ハンガリーの物理化学者、社会科学者。ブダペストの生まれ。経済人類学者カール・ポランニーの弟。息子は化学者のジョン・ポランニー(1986年ノーベル化学賞受賞)。1917年にブダペスト大学で博士号を取得後、ベルリンのカイザー・ウィルヘルム研究所(現、マックス・プランク研究所)所員となる(1923~1933)。1933年にナチスの人種迫害を避けてイギリスへ渡り、マンチェスター大学の物理化学教授となる。その後、社会科学に移り、1948年に同大学の社会科学教授、1959年にオックスフォード大学の主任研究員を歴任した。おもに、結晶構造や反応速度論の研究を行った。社会科学に移ってからは、妖術(ようじゅつ)や呪術(じゅじゅつ)を対象とし非合理的な主張をなした。おもな著書には『原子反応』(1932)、『Personal Knowledge』(1958)、『人間の研究』(1959)、『暗黙知次元』(1966)、『知と存在』(1969)などがある。

[川野辺渉 2015年11月17日]

『佐藤敬三訳『暗黙知の次元』(1980・紀伊國屋書店/高橋勇夫訳・ちくま学芸文庫)』『沢田允夫・吉田謙二他訳『人間の研究』(1986・晃洋書房)』『大塚明郎・栗本慎一郎他著『創発の暗黙知――マイケル・ポランニーその哲学と科学』(1987・青玄社)』

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