ポトシ市街(読み)ポトシしがい

世界遺産詳解 「ポトシ市街」の解説

ポトシしがい【ポトシ市街】

1987年に登録され、2014年に危機遺産リストに記載されたボリビアの世界遺産(文化遺産)。ボリビアの首都ラパス南東約440kmの標高約4100mに銀を精錬するために造られた鉱山都市。1545年にセロ・リコ銀山で発見された世界最大の銀鉱脈はスペイン人によって管理され、最盛期には20万人近い人口を抱えるアメリカ大陸で最大の町となり、商工業の発展と資本経済化をもたらした。当時、ポトシの銀山は、メキシコのサカテカスグアナフアトとともに中南米の三大鉱山として知られた。銀の採掘に多くの先住民が強制的に集められ、過酷な労働と劣悪な環境のなかで黒人奴隷と合わせて約800万人が犠牲になったといわれる。ポトシ市街は鉱山の麓に広がり、金銀箔を多用したサン・マルティン教会やバロック様式のサン・ロレンソ聖堂などが残っている。現在も鉛、錫、銅、銀などの採掘・精錬は行われているが、経年劣化による落盤崩落の危険があり、関連法の整備も不十分であることから危機遺産リストへの記載が決定された。◇英名はCity of Potosí

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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