ボーン・ウィリアムズ(読み)ボーンウィリアムズ

百科事典マイペディア 「ボーン・ウィリアムズ」の意味・わかりやすい解説

ボーン・ウィリアムズ

英国の作曲家。ホルストとともに,エルガーによって再興された英国音楽の発展に貢献した。ケンブリッジ大学ロンドンの王立音楽学校に学んだのち,ベルリンブルッフパリでM.ラベル師事。1903年ホルストらと英国民謡の採譜を開始し,管弦楽曲《ノーフォーク狂詩曲》(1907年)などで本格的な作曲活動に入る。以後,英国音楽の伝統にフランス近代音楽の書法などを加味した独自のスタイルを打ち立て,80歳を過ぎた最晩年まで旺盛な創作活動を続けた。代表作に第1番《海の交響曲》にはじまる九つの交響曲(1909年−1957年)があり,ほかに六つのオペラ合唱曲や教会音楽などがある。管弦楽曲《グリーンスリーブズによる幻想曲》(1934年)は有名。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボーン・ウィリアムズ」の意味・わかりやすい解説

ボーン・ウィリアムズ
Vaughan Williams, Ralph

[生]1872.10.12. ダウンアンプニー
[没]1958.8.26. ロンドン
イギリスの作曲家。ロンドンの王立音楽学校とケンブリッジ大学で学び,オルガン奏者として活躍。その後ヨーロッパに渡り,ベルリンで M.ブルッフ,パリで M.ラベルらに学んだ。また 1903年頃からイギリス民謡の収集を始め,そこから大きな影響を受けた。晩年には難聴に悩まされたが,旺盛な創作活動を続けた。主作品は9曲の交響曲,6曲のオペラのほか管弦楽曲,合唱曲,歌曲など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボーン・ウィリアムズ」の意味・わかりやすい解説

ボーン・ウィリアムズ
ぼーんうぃりあむず
Ralph Vaughan Williams
(1872―1958)

ホルストとともに20世紀前半のイギリスを代表する作曲家。王立音楽カレッジ、ケンブリッジ大学でパリーウッドスタンフォードに学んだのち、ベルリンでブルッフ、パリでラベルに師事。本格的な作曲活動は比較的遅く、30歳ごろに始まる。彼の音楽の基盤は、ルネサンス期のイギリス音楽とイギリス民謡にある。作品には、『海』『ロンドン』『田園』『南極』などの標題をもつ九曲の交響曲をはじめ、オペラ、管弦楽曲、協奏曲、合唱曲、歌曲など多数。

[寺田兼文]

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