ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボーモント」の意味・わかりやすい解説
ボーモント
Beaumont, Francis
[没]1616.3.6. ロンドン
イギリスの劇作家。 J.フレッチャーとの合作で知られる。 1613年に結婚して劇壇から引退した。 79年の『ボーモント=フレッチャー全集』に収められた 52編のうち,ボーモントの単独作は気質喜劇『女嫌い』 The Woman Hater (1605) と風刺喜劇『熱いすりこぎ団の騎士』 The Knight of the Burning Pestle (07) だけ。合作も 10編に満たないが,そのうちの代表作『フィラスター』 Philaster (09頃) は,以後の多くの悲喜劇の範となり,王政復古期の演劇にも影響を及ぼした。その他の合作に,伝奇劇『王にして王にあらず』A King and No King (11) ,悲劇『乙女の悲劇』 The Maid's Tragedy (11) ,喜劇『お高くとまった貴婦人』 The Scornful Lady (13) など。
ボーモント
Beaumont, William
[没]1853.4.25. ミズーリ,セントルイス
アメリカの軍医。ミシガン州北部,マッキナク要塞に駐留中,1822年6月6日左の上腹部に至近距離から銃弾を受けたカナダ人の猟師の治療にあたったが,創痕が胃瘻となって残り,そこから胃の中を見ることができる状態だったので,消化の過程を研究し,消化の化学,食物の分解の時間,感情が胃液分泌に与える影響などを記録し,その結果を"Experiments and Observations on the Gastric Juice and the Physiology of Digestion" (1833) にまとめた。彼はヒトの胃での消化機構を観察した最初の人だったので,この報告は生理学に重要な貢献をした。
ボーモント
Beaumont
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