ボーマン(英語表記)Isaiah Bowman

改訂新版 世界大百科事典 「ボーマン」の意味・わかりやすい解説

ボーマン
Isaiah Bowman
生没年:1878-1950

カナダ生れのアメリカの地理学者,教育者。W.M.デービス門下で,ハーバード大学を出てから地形誌の研究に従事。イェール大学教授のとき,ペルー探検を2回行い,優れた報告書を出している。行政手腕もあり国際地理学会IGU)の仕事や,アメリカ地理学会会長としても活躍し,同学会の隆盛期をもたらした。後にはジョンズ・ホプキンズ大学総長を10年以上務め教育者としても知られる。政治地理学者としても優れた能力をもち,第1次大戦後のベルサイユ講和会議にはアメリカの全権団の一人として出席し,ヨーロッパの領土問題や新しい国境の決定に影響を与えた。第2次大戦時にはF.D.ローズベルト大統領に信任され,多くの政府委員会でも活躍,大統領を補佐した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボーマン」の意味・わかりやすい解説

ボーマン
Bowman, Sir William

[生]1816.7.20. チェシャー,ナントウィッチ
[没]1892.3.29. ドーキング近郊
イギリスの解剖学者,生理学者,眼科医。 1837年にロンドン大学医学部に入り,25歳でキングズカレッジ病院に勤務。種々の組織の微細構造の研究を始め,41~42年の間に随意筋構造と機能,肝臓の微細構造,腎臓の構造と機能などについての研究報告を出した。特に重要なのは腎臓の研究で,尿のろ過にあずかる糸球体嚢ボーマン嚢とも呼ばれている。次いで眼の研究に入り,46年にロンドン王立眼科病院の医師になった。 80~83年イギリス眼科学会初代会長。数多くの眼科手術法を創案,実施した。

ボーマン
Borman, Frank

[生]1928.3.14. インディアナ,ギャリー
アメリカの宇宙飛行士陸軍士官学校卒業 (1950) 後,空軍に勤務,パイロットとしての訓練を受ける。 1957年カリフォルニア工科大学から航空工学で修士の学位を取得。その後陸軍士官学校などで教え,62年第2期宇宙飛行士の一人に選ばれた。 65年 12月ジェミニ7号に J.ラベルとともに乗り,地球を 220周し,ジェミニ6号と初めてのランデブーに成功。次いで,68年 12月ラベル,W.アンダース両宇宙飛行士とともにアポロ8号で初めて月に向い,月のまわりを 10周して帰還した。 70年1月アメリカ航空宇宙局 (NASA) を退職。

ボーマン
Bowman, Isaiah

[生]1878.12.26. オンタリオ,ウォータールー
[没]1950.1.6. メリーランド,ボルティモア
アメリカの地理学者。行政にもたずさわり,アメリカ地理学会を国際的学会に育て上げた。のちジョンズ・ホプキンズ大学学長 (1935~48) 。 1919年のパリ講和会議には W.ウィルソン大統領およびアメリカ代表団の顧問として参加した。 F.ルーズベルト大統領在任中は科学・国家政策の相談に応じた。主著に『新大陸-政治地理学の諸問題』 The New World,Problems in Political Geography (第4版,28) がある。

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