ボース-アインシュタイン凝縮(読み)ボースアインシュタインギョウシュク

化学辞典 第2版 の解説

ボース-アインシュタイン凝縮
ボースアインシュタインギョウシュク
Bose-Einstein condensation

ボース統計に従う粒子からなる理想気体(粒子数N,体積V)は,ある絶対温度 Tc 以下(Tc は2.612(2πmkTc)3/2/h3N/Vから決まる.mは粒子の質量kボルツマン定数hプランク定数)では,エネルギー最低の量子状態にある平均粒子数がNと同程度の巨視的量となっている.粒子間の相互作用が無視できないような系の場合も含めて,ある一つの量子状態に存在する平均粒子数が巨視的量となっているとき,系はボース-アインシュタイン凝縮またはボース凝縮を起こしているという.この現象はA. Einstein(アインシュタイン)によってはじめて指摘されたもので,その後,F. London(ロンドン)によって液体 4HeT = 2.18 K で示す転移現象の模型として提唱された.液体 4He には二つの相,すなわち,HeⅠとHeⅡがあり,これらのうち,低温の相HeⅡはボース-アインシュタイン凝縮を起こした相と考えられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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