ボーカロイド曲(読み)ボーカロイドキョク

デジタル大辞泉 「ボーカロイド曲」の意味・読み・例文・類語

ボーカロイド‐きょく【ボーカロイド曲】

歌詞メロディーを入力することで、歌声を作成できる音声合成技術の一つボーカロイドを使用して作った曲の総称ボカロ曲

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「ボーカロイド曲」の解説

ボーカロイド曲

ボーカロイド(VOCALOID)とは、ヤマハが開発した歌声の合成技術、及びその技術を応用したソフトウエアの総称。ボーカロイドで合成した「歌声」を、特定のキャラクターの歌声として作成した楽曲をボーカロイド曲と呼ぶ。
ボーカロイドで合成する歌声は、人間の声を録音し、声の強弱ビブラートなどの情報を加えて、なめらかに聞こえるように編集されている。2007年、よりリアルな歌声が実現できるボーカロイド2が発売され、同年、ヤマハとライセンス契約を結んだ「クリプトン・フューチャー・メディア社」から、ボーカロイド2と、「初音(はつね)ミク」という実在しないアイドルの歌声をセットにした「キャラクター・ボーカル・シリーズ」としてのボーカロイド製品が発売される。同製品では、メロディーと歌詞を入力することで、バーチャルアイドル「初音ミク」に歌を歌わせることができるが、この製品を購入したユーザー自主制作した楽曲が動画サイト「ニコニコ動画」などで人気となり、ボーカロイド曲が知られるようになる。初音ミクの楽曲CDは、2010年5月にはオリコン週間ランキングで1位を獲得。3D映像を使ったライブも大盛況で、海外にもファンが多い。2011年7月には米ロサンゼルスで海外初ライブが行われ、追加チケットも含め6000席が用意された。
ボーカロイド曲は、音楽好きなユーザーが楽曲を作り、キャラクター好きなユーザーが、その楽曲に動画をつけるなどといった「自主制作コンテンツ(UGC:User Generated Content)」という文化を生み出した。

(横田一輝  ICTディレクター / 2011年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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