ホルミウム

精選版 日本国語大辞典 「ホルミウム」の意味・読み・例文・類語

ホルミウム

〘名〙 (holmium)⸨ホルミューム⸩ 希土類元素一つ元素記号 Ho 原子番号六七。原子量一六四・九三〇三二。ごくわずかにしか存在しない元素発見クレーベ故郷ストックホルム古称にちなんで名づけられた。

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デジタル大辞泉 「ホルミウム」の意味・読み・例文・類語

ホルミウム(holmium)

希土類元素ランタノイドの一。1879年にクレーベが発見し、故郷ストックホルムの古称Holmiaにちなんで命名元素記号Ho 原子番号67。原子量164.9。

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化学辞典 第2版 「ホルミウム」の解説

ホルミウム
ホルミウム
holmium

Ho.原子番号67の元素.電子配置[Xe]4f 116s2周期表3族ランタノイド元素.もっとも希少の希土類元素イットリウム族の一つ.原子量164.93032(2).安定同位体核種が質量数165(100%)のみの単核種元素.質量数140~175の放射性同位体が知られている.1878年,フランスのJ-L. Soretがスペクトル分析で見いだし,独立にスウェーデンのP.T. Cleve(クレーベ)により発見された.ストックホルムのラテン名HolmiaによりCleveが命名.
ユークセン石ガドリン石などに含まれる.地殻中の存在度0.78 ppm.銀白色金属.六方最密構造.融点1474 ℃,沸点2695 ℃.密度8.795 g cm-3(25 ℃).第一イオン化エネルギー6.022 eV.熱水,酸に溶けて水素を発生する.化合物,イオンの色は黄色.酸化数3.化学的性質はほかの希土類元素と同様で,フッ化物,炭酸塩,シュウ酸塩などが水に不溶.化合物は常磁性で,ジスプロシウム化合物とともに希土類中もっとも大きい磁気能率を示す.Ho3+ の電子配置は4f 10
酸化物は,ガラス着色剤,コンデンサー用材料に,Ho:YAGは医療用などに用いられる2 μm 帯のレーザー結晶に,HoCu2は小型冷凍機用蓄冷材に用いられる.[CAS 7440-60-0]

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改訂新版 世界大百科事典 「ホルミウム」の意味・わかりやすい解説

ホルミウム
holmium

周期表第ⅢA族,希土類元素に属するランタノイドの一つ。スウェーデンのクレーベP.T.Cleve(1840-1905)は,希土類元素の分析に取り組み,1879年に,それまで単一元素と思われていたエルビウムから他の二つの元素を見いだし,一つをツリウム,一つを彼の故郷ストックホルムにちなんでホルミウムと命名した。主要鉱石はモナザイト,ゼノタイムなどで,ランタノイド中最も希産の元素の一つである。3価の化合物が普通。化合物の色は結晶,水溶液とも褐緑色。常磁性で,この磁化率はランタノイド化合物中ジスプロシウム化合物とともに最大である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホルミウム」の意味・わかりやすい解説

ホルミウム
ほるみうむ
holmium

周期表第3族、希土類元素に属するランタノイド元素の一つ。1879年スウェーデンのクレーベPer Theodor Cleve(1840―1905)によって発見され、彼の故郷ストックホルムの古称Holmiaにちなんで名づけられた。天然にはユークセン石、ガドリン石などに含まれる。希土類元素のうちもっとも希産のものの一つ。塩化物をアルカリ金属で還元するか、溶融塩電解によって金属を得る。銀白色の金属。空気中に放置すると表面が酸化され、熱すると酸化物となる。熱水、酸に水素を発生して溶ける。化合物の酸化数は+Ⅲ。化合物は黄色のものが多い。

[守永健一・中原勝儼]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホルミウム」の意味・わかりやすい解説

ホルミウム
holmium

元素記号 Ho ,原子番号 67,原子量 164.93032。周期表3族,希土類元素でランタノイド元素の1つ。天然にはユークセン石,ガドリン石などの中に他の希土類元素とともに産する。地殻における存在量 1.2ppm,海水中の濃度 0.0009 μg/l 。単体は金属で,融点 1461℃,比重 8.803,酸化数3。化合物の結晶および水溶液の色は褐緑色。ジスプロシウム化合物とともに希土類元素化合物中最も大きい常磁性を示す。 1879年 P.クリーブによって発見され,彼の故郷ストックホルム (ラテン語でホルミア) にちなんでホルミウムと命名された。

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百科事典マイペディア 「ホルミウム」の意味・わかりやすい解説

ホルミウム

元素記号はHo。原子番号67,原子量164.93033。密度8.795,融点1474℃,沸点2695℃。希土類元素の一つ。1879年P.T.クレーベが発見,故郷のストックホルムにちなんで命名。化合物は褐緑色のものが多い。

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