ホモリシス(英語表記)homolysis

化学辞典 第2版 「ホモリシス」の解説

ホモリシス
ホモリシス
homolysis

共有結合によって結合しているそれぞれ原子が,不対電子をもったような状態になって共有結合が切断する形式をいう.

  A:B → A・ + ・B (σ結合のホモリシス)

   (π結合のホモリシス)

この形式の結合切断に伴って起こる反応ラジカル反応(遊離基反応)といい,不対電子をもった試薬(遊離基)によって起こる反応は,ホモリシスによる反応である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホモリシス」の意味・わかりやすい解説

ホモリシス
homolysis

共有結合が切断して反応が進行していくとき,結合していた共有電子対が1個ずつ分れてそれぞれの原子あるいは原子団に残るような場合をホモリシスという。ここで生じたものはラジカル (遊離基 ) であり,この過程を経て起る反応をラジカル反応という。気相反応は多くこの過程を通る。また熱あるいは光による環化,重合などにもこの過程がしばしば生じる。 (→ヘテロリシス )

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世界大百科事典(旧版)内のホモリシスの言及

【遊離基】より

…遊離基は次のような方法で発生させることができる。(a)熱分解,光分解,放射線分解などの方法で化学結合を切断する(ホモリシスhomolysis)。(C6H5)3CC(C6H5)3―→2(C6H5)3C・  ……(1) (CH3)4Pb―→4CH3・+Pb  ……(2) (C6H5COO)2―→2C6H5COO・  ……(3)  (b)他の遊離基の分解,転位,付加,誘発など二次的反応により生成させる。…

※「ホモリシス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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