ホットスポット[地殻](読み)ホットスポット[ちかく](英語表記)hotspot

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホットスポット[地殻]」の意味・わかりやすい解説

ホットスポット[地殻]
ホットスポット[ちかく]
hotspot

上部マントルアセノスフェア内部から継続的にマグマが上昇する場所。マントルプルームと呼ばれる細い上昇流を通じて地殻(→リソスフェア)に噴出し,火山を形成する。マグマの生成や噴出そのものはプレート境界における発散収束(→プレートテクトニクス)とは無関係であると考えられ,火山はプレートがホットスポット上を移動することで線状に形成・配列される。つまりホットスポット上には,プレートの収束境界(→沈み込み帯)や拡大境界(→中央海嶺)とは関連しない火山が形成される。ハワイ海嶺天皇海山列がこの例にあたり,活動を休止した火山(島)や活火山(島),および海山からなる山列は,数百万年以上にわたってホットスポット上をプレートが移動したことを示している。北西から南東に連なるハワイ諸島は北西にある島ほど古く,カウアイ島を形成する火山は約 500万年前のものであるが,南東端のハワイ島を形成する五つの活火山は 100万年未満のものである。ハワイのホットスポットは少なくとも 8000万年にわたって活動し,太平洋プレートはその上を当初は北方に,その後は北西方に年間約 8~10cmの速度で移動したとみられる。さらに約 4500万年前に向きを北方に変え,天皇海山列につながったとみられる。

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