ホソカタムシ(読み)ほそかたむし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホソカタムシ」の意味・わかりやすい解説

ホソカタムシ
ほそかたむし / 細堅虫

昆虫綱甲虫目ホソカタムシ科Colydiidaeの昆虫の総称。世界各地に分布するが、熱帯域に多く、またニュージーランドに多い。約1300種が知られており、日本からも約35種が記録されている。体長2~18ミリぐらいの小形から中形の甲虫で、堅固な体のものが多く、細長い種が多いが卵形に近いものもある。触角は先の二節、ときに三節が広がり、脚(あし)の跗節(ふせつ)は四節か、ときに三節である。樹皮下、朽ち木などにすみ、菌糸や植物の分解物を食べるが、キクイムシを孔道で捕食するもの、アリの巣にいるものなどもある。近年、この科に含まれていた一部の小形種がカクホソカタムシ科Cerylonidaeとして分離されており、日本産は約15種。卵形ないし長方形でやや平たいものが多い。

[中根猛彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホソカタムシ」の意味・わかりやすい解説

ホソカタムシ
Colydiidae; cylindrical bark beetle

鞘翅目ホソカタムシ科に属する昆虫の総称。体長2~3mmの小型種が多く,10mmをこえるものはまれである。体は一般に細長く,体側は多少とも平行な種が多い。体は黄褐,灰褐,または黒褐色で,鱗片彫刻のため光沢を欠くものが普通である。肢は短く,跗節は4節。幼虫は細長く,樹皮下や他の樹木穿孔性甲虫の孔道内などにみられる。成虫は樹皮下や朽ち木,キノコなどに集る。おもに世界の熱帯に約 1400種,日本に約 30種が分布している。

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