ホシツリモ(英語表記)Nitellopsis

改訂新版 世界大百科事典 「ホシツリモ」の意味・わかりやすい解説

ホシツリモ (星吊藻)
Nitellopsis

車軸藻植物の1属で,体はフラスコモ属に似るが,雌性生殖器官の小冠細胞が5個であることからシャジクモ亜科に所属する。雌雄異株であること,体の下方からでる仮根様の部分に星形の無性生殖器官をつくることで,他の属と区別される。和名は星状の無性生殖器官をもつことに由来する。日本ではホシツリモN.obtusa Grovesの1種が知られ,芦ノ湖河口湖野尻湖印旛沼などに生育が知られる。藻体は直径1mm,高さ2m以上に及び,節間部の長さは20cm以上にもなる。星状の無性生殖器官は白色で球状体ともいわれ,これが藻体を離れて発芽することにより新しい個体ができる。日本のほかに,中国,ミャンマーインド,およびヨーロッパにも分布する。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のホシツリモの言及

【淡水藻】より

…これとは逆に,海に多く生育する仲間は,紅藻類,褐藻類,ハプト藻類,渦鞭毛藻類などである。淡水藻は海産のものに比べて微細なものや小型のものが多く,もっとも大きい車軸藻のホシツリモでもせいぜい2m余である。ほかに大きいものとして,直径25cmくらいになる緑藻のマリモや長さ40~50cmになる紅藻のチスジノリなどがある。…

※「ホシツリモ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android