ホウ酸ナトリウム(読み)ホウさんナトリウム(英語表記)sodium borate

翻訳|sodium borate

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホウ酸ナトリウム」の意味・わかりやすい解説

ホウ酸ナトリウム
ホウさんナトリウム
sodium borate

二,四,五,六,八ホウ酸ナトリウムが知られているが,普通ホウ酸ナトリウムといえば,四ホウ酸ナトリウムをさし,天然には別称ホウ砂として産出。 Na2B4O7・10H2O または Na2[B4O5(OH)4]・8H2O で表わされる。無色単斜晶系,融点 75℃。天然鉱物カーン石などを水に溶かしたあと,結晶として得る。またホウ酸カルシウムに炭酸ナトリウムを作用させて製造する。水溶液は緩衝液で,pH標準液としても使用される。加熱すると水を失って,最終的にガラス状無水物 (融点 741℃) になる。この「ガラス」は融解状態で金属酸化物を溶かし,各金属特有の着色ホウ酸塩をつくるので,ホウ砂球試験として金属元素の検査に利用される (→ホウ砂球反応 ) 。ホウ砂は耐熱ガラス,エナメルや釉,金属溶接でのフラックス,洗剤などの原料となり,製紙にも使用される。ホウ酸金属塩は MBO3 の形をとることはまれで,複数の BO3 が鎖状または環状などに結合している。なお NaBO3・4H2O と書かれるペルオキソホウ酸ナトリウムは,実は NaBO2・H2O2・3H2O であり,水溶液は過酸化水素を発生する。家庭用脱色剤に用いられる。

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栄養・生化学辞典 「ホウ酸ナトリウム」の解説

ホウ酸ナトリウム

 →ホウ砂

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