ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペルセウス」の意味・わかりやすい解説
ペルセウス
Perseus
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ギリシア神話の英雄。ゼウスとダナエの子。アルゴスの王アクリシオスは、娘の生む子に殺されるであろうという神託を受けたため、娘ダナエを男の手の届かないよう青銅の塔に幽閉する。しかし、ゼウスが黄金の雨となって彼女のもとに通い、ペルセウスが生まれる。これを知ったアクリシオスは、娘と孫を箱に入れて海に流すが、箱舟はセリフォス島に流れ着き、2人はそこの漁師に保護される。やがてダナエは島の王に横恋慕され、母を守るペルセウスは世界の西の果てから怪物ゴルゴンの首を取ってくることを命じられる。ゴルゴンをまともに見た者は石になってしまうが、彼は女神アテネから磨きあげた青銅の盾を、またヘルメスからは金剛の鎌(かま)を、ニンフからは空飛ぶ靴と隠れ蓑(みの)を借り、敵には見られないように空から接近して、盾に写した姿を見ながらゴルゴンの1人メドゥサの首をとることに成功した。
帰り道、エチオピアの王女アンドロメダが海の怪物への生贄(いけにえ)として岸壁に縛り付けられているのに行き会い、メドゥサの首で怪物を退治したうえ、王女を妻にした。そしてセリフォス島に帰り着くや、母親に言い寄る島の王にメドゥサの首を見せて石にした。こののちペルセウスは、母と妻を伴い祖国アルゴスへ向かうが、祖父アクリシオスは昔の神託を思い出して遠国へと逃れる。しかしそうとは知らないペルセウスも、その地で行われる葬送競技に参加して円盤を投げ、それが観戦中のアクリシオスに当たって彼を殺してしまう。
[中務哲郎]
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…その甥フィリッポス5世は東進するローマに対抗するためカルタゴのハンニバルと同盟,ローマと戦って一応の成功を収め(第1次マケドニア戦争,前215‐前205),シリア王アンティオコス3世と同盟しローマと戦ったが,ギリシア人の自由擁護をうたうローマの将軍に名をなさしめた(第2次マケドニア戦争,前200‐前197)。その子ペルセウスも父の志をついだが前168年決定的敗北を喫し,彼自身ローマで捕虜として死没,王朝は滅びた。マケドニア【井上 一】。…
…カシオペイアが自分の娘は海の精ネレイスたちより美しいと誇ったため,これを憤ったネレイスたちの訴えにより海神ポセイドンは怪物を遣って王国を荒らさせた。このとき,娘を人身御供にすればこのわざわいから免れうるとの神託をうけた王は,やむなくアンドロメダを海辺の岩に鎖で縛りつけたところ,折しもゴルゴン退治をすませた英雄ペルセウスが来かかり,怪物を殺して彼女を救い,自分の妻にもらいうけた。しかし,かねてよりアンドロメダと婚約していた叔父とその一味が2人を襲ったので,ペルセウスはメドゥーサの首を見せて彼らを石と化せしめた。…
…ゼウスは人間の女との間にも多数の子をもうける。主要なものだけを挙げれば,テーバイの王女セメレSemelēによりディオニュソスを,アルクメネAlkmēnēによりヘラクレス,ダナエDanaēによりペルセウス,エウロペによりミノスを得た。それぞれの場合につき細目と関与者を特徴づける物語が語られている。…
…彼女たちは無数の蛇から成る頭髪,猪のきばのごとき歯,見る者を石に化す目をもつ恐るべき存在で,はるかな西方,ヘスペリデスの園の近くとされるそのすみかは,彼女たちの年上の3姉妹,生まれながらの老女で,しかも3人で一眼一歯を共有するグライアイGraiaiによって守られていた。このため,ゴルゴンの首を取ってくることを命じられた英雄ペルセウスは,まずグライアイから目を奪ってゴルゴンたちのすみかへの道を聞き出したあと,その目を直視して石化させられないように,鏡に映る姿をたよりに睡眠中の彼女たちに近づき,3姉妹のうちでただひとり不死身ではなかったメドゥーサの首を切り落とした。このとき,海神ポセイドンのたねを宿していたメドゥーサの血から,有翼の天馬ペガソスが生まれた。…
… 神が人間と結婚する形式の聖婚神話(伝説)は,英雄の生誕(英雄神話)や特定家系の由来を基礎づけていることが多い。ギリシア神話では,アルゴス王アクリシオスAkrisiosは一人娘ダナエDanaēを青銅の密室のなかに隔離していたが,大神ゼウスは黄金の雨となってダナエと通じ,2人の間に英雄ペルセウスが生まれた。日本では大和の三輪山の大物主神が活玉依毘売(いくたまよりびめ)に毎夜通って生ませた子の子孫が河内の美努(みぬ)村の意富多多泥古(おほたたねこ)であって,崇神天皇はそれに三輪山の神をまつらせたという。…
…ギリシア伝説で,アルゴス王アクリシオスAkrisiosの娘。英雄ペルセウスの母。ダナエの生む子は祖父を殺すであろうとの神託がアクリシオスにあったため,彼女は父王によって青銅の部屋に閉じ込められていたが,ゼウスが黄金の雨に身を変じて彼女を訪れ,やがてダナエはペルセウスを生んだ。…
… 片方の履物にまつわる多くの伝承がギリシア文化圏にはある。トゥキュディデスは,プラタイアイの兵士の一隊が片方のみはだしで城塞(じようさい)から脱出したことを伝え(《戦史》第3巻22章),女怪ゴルゴンを退治したペルセウスはサンダルを片方しかはいておらず,片方のサンダルの男に注意せよとの神託を受けていたイオルコス王ペリアスの前に現れたイアソンはそのままの格好であったために,金羊皮を求めて旅に出ることになる。J.G.フレーザーは《金枝篇》で,はだしの右足を犠牲獣の皮の上に置いて行われるギリシアの宗教儀礼に言及しているが,履物の片方だけをはいたいわば異形の姿と,神の加護あるいは神意の顕現という観念には強い関連のあることが予想される。…
…この戦争でローマは初めてアシア(小アジア)に軍を進めたが,戦後処理においては領土的関心を示さず,シリアの領有した小アジアの領土はすべてペルガモンとロドスに与えられた。 次のマケドニア王ペルセウスの挑戦にこたえて,ローマは第3次マケドニア戦争(前171‐前167)に入り,ピュドナの戦(前168)に勝利した。戦後処理においてローマの政策は一転して硬化し,マケドニア側についた諸都市に課税し,なかでもアカイア同盟から1000人の人質をローマに送らせ,エペイロスでは15万人の住民を奴隷とし,さらに,起こった抵抗運動を鎮圧して,前147年マケドニアを属州とし,前146年コリントスを完全破壊し,全住民を奴隷に売った。…
※「ペルセウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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