ペリカン目(読み)ペリカンもく

精選版 日本国語大辞典 「ペリカン目」の意味・読み・例文・類語

ペリカン‐もく【ペリカン目】

〘名〙 鳥類の一目名。主として海で生活する大形鳥で、外形上は、四本の足指の間すべてにみずかきがあり、喉に収縮性の裸出した袋をもつことが特徴。この目にはネッタイチョウ科ペリカン科カツオドリ科グンカンドリ科ウ科ヘビウ科の六科が含まれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペリカン目」の意味・わかりやすい解説

ペリカン目
ぺりかんもく

鳥綱の1目。この目Pelecaniformesはネッタイチョウ科Phaethontidae、ペリカン科Pelecanidae、カツオドリ科Sulidae、ウ科Phalacrocoracidae、グンカンドリ科Fregatidaeの5科に分けられ、さらにヘビウ科Anhingidaeがウ科から区別されることもある。ペリカン科やウ科の一部は内陸にすむが、その他は海鳥で、いずれも魚食鳥である。しかし外形態、とくに体形と嘴(くちばし)は科によって大きく異なる。また、採食法も科によってそれぞれ特殊化している。この目の鳥のもっとも著しい特徴は、4本の足指が全部よく発達した水かきでつながっていることである。この型の足指は全蹼足(ぜんぼくそく)totipalmateとよばれ、鳥類ではペリカン目だけにみられる。このため、ペリカン目はかつて全蹼目Steganopodesの名があった。潜水に翼を使うペンギンは別として、ペリカン目の鳥の足は潜水や遊泳にもっともよく適応している。その反面、アビ目やカイツブリ目とともに、歩行は鳥のなかでいちばん不得手である。潜水に対する適応として、外鼻孔は閉鎖しているが、ネッタイチョウでは開いている。ネッタイチョウはのど袋をもたない点など、ペリカン目のなかではやや他と異なっている。この目の化石は、白亜紀の末までさかのぼることができる。

[森岡弘之]

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デジタル大辞泉プラス 「ペリカン目」の解説

ペリカン目

鳥綱の目。ペリカン科・トキ科サギ科などを含む。コウノトリ目と姉妹群をなす。

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世界大百科事典(旧版)内のペリカン目の言及

【ペリカン】より

…ペリカン目ペリカン科Pelecanidaeの鳥の総称。この科には1属約6種があり,いずれも大型の水鳥で,なかには翼の開張が2.5mに達するものがある。…

※「ペリカン目」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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