ベンシラの知恵(読み)ベンシラのちえ(英語表記)Wisdom of Ben Sirach
Ecclesiasticus

改訂新版 世界大百科事典 「ベンシラの知恵」の意味・わかりやすい解説

ベン・シラの知恵 (ベンシラのちえ)
Wisdom of Ben Sirach
Ecclesiasticus

旧約聖書外典中の一書。知恵文学に属する。《シラの子イエスの知恵》《教会の書》《知恵の書》とも呼ばれ,前2世紀のすぐれた箴言(しんげん)集。ヘレニズムユダヤ教の存在をおびやかした時期,伝統的宗教と普遍的知恵の統合を求め,神を恐れ,知恵をイスラエルの歴史との関係で求め,律法と同一視する。前半1章~42章14節は知恵の賛歌友情,教育,女性,医者富者貧者,身の処し方などあらゆる種類の箴言で,後半42章15節~50章29節は創造と歴史における神の業を述べる。51章は祈りである。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のベンシラの知恵の言及

【知恵文学】より

…旧約聖書の《箴言》《ヨブ記》《伝道の書》,外典に属する《ベン・シラの知恵》《ソロモンの知恵》等を,歴史書,預言文学と区別して〈知恵文学〉と総称する。これらの知恵文学には,特にイスラエル的な信仰を特徴づける主題である排他的な唯一神の信仰,歴史の中に神の行為を実現する救済史観,イスラエルの選び,啓示,契約などが見られない。…

※「ベンシラの知恵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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