ベントナイト(英語表記)bentonite

翻訳|bentonite

精選版 日本国語大辞典 「ベントナイト」の意味・読み・例文・類語

ベントナイト

〘名〙 (bentonite) モンモリロナイト主成分とする灰白色または淡緑色粘土凝灰岩などが変質して生じ、水を吸収すれば膨張し懸濁液中性ないしアルカリ性を示す。陶磁器・石油精製・客土などに用いる。

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デジタル大辞泉 「ベントナイト」の意味・読み・例文・類語

ベントナイト(bentonite)

粘土の一種モンモリロナイトを主成分とし、水を加えると膨れ、陽イオン交換性がある。鋳型の結合剤、ボーリング用泥水の調整剤客土などに利用

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改訂新版 世界大百科事典 「ベントナイト」の意味・わかりやすい解説

ベントナイト
bentonite

膨潤土とも呼ぶ。モンモリロナイト,バイデライトなどを主成分鉱物とする粘土鉱物の一種。淡灰,淡緑灰ときに淡黄色を呈し,水を吸着して膨潤する特性をもつ粘土であって,工業用,農業用,鋳物砂の粘結材,石油などの掘削泥水の混合材などきわめて用途の広い粘土材料である。ガラス質火山灰および軽石類が低温低圧下での熱水変質作用または続成作用を受けて変質生成したものであり,微細粒子のタンパク石を伴うが,ときに沸石類を共存することもある。日本では群馬県碓氷(うすい)川流域および山形県左沢(あてらざわ)地区に産出するものが有名。アメリカではワイオミング州のフォート・ベントン層中に産出するものが著名で名称の由来にもなっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベントナイト」の意味・わかりやすい解説

ベントナイト
べんとないと
bentonite

アメリカ、ワイオミングのベントン地方に産出する粘土の一種で、岩石の風化生成過程で生じた粘土鉱物である。結晶構造をもつ微細な粒子で、水分を吸着すると体積が増えるいわゆる膨潤性の大きな物質である。このような粘土はスメクタイト群に属し、代表的なモンモリロナイトとともに特異な物理性をもつことで知られる。カルシウムマグネシウムがついたケイ酸アルミナ複合体であって、強い吸湿性はこの化学組成に由来する構造によっている。地中に凝灰岩質泥岩や火山灰層がある場合、その風化分解の過程でベントナイトが生成し、地すべり発生の原因となることが知られている。緩慢な速さで継続する地すべり現象の多くは、地中のある深さに生じた膨潤性の粘土がいわゆるすべり面をつくるためと考えられ、この粘土を地すべり粘土とよぶ。

[浅海重夫・渡邊眞紀子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベントナイト」の意味・わかりやすい解説

ベントナイト
bentonite

粘土の一種。おもにモンモリロナイトという粘土鉱物からなり,白,淡緑などの色調を呈する。風化すると淡黄色に変わる。水の吸着性が強く,水に入れると短時間に膨潤して崩れる。日本のベントナイトはおもにガラス質凝灰岩が変質したもので,新第三紀グリーン・タフ地域に層状に分布する。吸着剤,ボーリング用泥水,客土,鋳型の結合剤など用途が広く,多量に採掘されている。

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岩石学辞典 「ベントナイト」の解説

ベントナイト

主としてモンモリロナイト(montmorillonite)またはバイデル石(beidellite)などの粘土のような物質でできている岩石で,これらはガラス質凝灰岩や火山灰が脱ガラス化作用や化学的変質作用によって形成されたものである.結晶も様々な量が含まれる.水に浸された場合には,ベントナイトは体積が8倍以上にも膨張する可能性がある[Knight : 1898, Spence : 1924, Ross & Shannon : 1929].ベントナイトは米国ワイオミング州のララミー(Laramie)およびビッグホーン(Big Horn)盆地のFort Benton層中で最初に発見された.

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百科事典マイペディア 「ベントナイト」の意味・わかりやすい解説

ベントナイト

膨潤土とも。モンモリロナイト,バイデライトなどを主成分とする粘土。層状,塊状で産する。日本では群馬県碓氷(うすい)川流域,山形県左沢(あてらざわ)地区などに産する。ガラス質の火山岩や凝灰岩が変質して生じたもの。水中で膨潤し,その懸濁液は中性,アルカリ性を呈する。ボーリング用泥水調整剤,鋳物砂結合剤,粉末状鉄鉱石の造粒結合剤などに使用される。

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栄養・生化学辞典 「ベントナイト」の解説

ベントナイト

 コロイド性の粘土の一つ.物質を吸着するほか,イオン交換性があり,食品の製造や軟膏などに使う.

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