ベンディックス(読み)べんでぃっくす(英語表記)Bendix, Reinhard

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベンディックス」の意味・わかりやすい解説

ベンディックス
べんでぃっくす
Reinhard Bendix
(1916―1991)

ドイツ生まれのアメリカの社会学者。1938年22歳のときナチスに追われて両親とともにアメリカに亡命。1947年シカゴ大学で博士号取得。同年からカリフォルニア大学(バークリー校)に所属。1956年同大学教授。アメリカ社会学会会長(1969~1970)。数回にわたりベルリン自由大学の客員教授を務める。研究領域は権力や支配概念を用いての歴史的な国際比較にある。主要な業績には次のようなものがある。『産業における労働と権限』(1956、邦訳1980)、『国民国家と市民的権利』(1964、邦訳1981)、『国王か人民か』(1978)など。『マックス・ウェーバー』(1960、邦訳1966)は、ウェーバーの全体像を描いたものとして幅広い読者を獲得してきた。

[佐藤慶幸]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベンディックス」の意味・わかりやすい解説

ベンディックス
Bendix, Reinhard

[生]1916.2.25. ベルリン
[没]1991.
ドイツ生れのアメリカの社会学者。ユダヤ系のため 1938年にアメリカに亡命。 47年シカゴ大学で博士号を取得。コロラド大学で教鞭をとったのち,カリフォルニア大学教授。研究領域は,官僚制 (アメリカ高級官僚の実証的な行動研究) ,社会的成層,階級,社会的移動,産業社会学 (経営者イデオロギー) ,政治社会学,社会理論と多岐にわたる。主著『産業における労働と権威』 Work and Authority in Industry (1956) ,『マックス・ウェーバー』 Max Weber (60) ,"Class,Status and Power" (53,S.M.リプセットと共編) ,『産業社会における社会移動』 Social Mobility in Industrial Society (59,リプセットと共著) 。

ベンディックス
The Bendix Corp.

アメリカ合衆国の自動車部品メーカー。1914年自動スタータの発明者ビンセント・ベンディックスが自動車ブレーキメーカーのエクリプスマシーンと提携して自動スタータの量産に乗り出したのが起源で,1924年に設立された。1928年までに,おもにゼネラル・モーターズ向けに年間 360万個のブレーキを生産した。その後,多くの企業を買収して多角化を推進。1983年総合化学会社のアライド(→アライド・ケミカル)に買収された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android