ベンガル湾(読み)ベンガルわん(英語表記)Bay of Bengal

精選版 日本国語大辞典 「ベンガル湾」の意味・読み・例文・類語

ベンガル‐わん【ベンガル湾】

インド洋東部インド東岸とミャンマー、アンダマン・ニコバル両諸島に囲まれた海域

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デジタル大辞泉 「ベンガル湾」の意味・読み・例文・類語

ベンガル‐わん【ベンガル湾】

インド洋北東部、セイロン島インド半島アンダマン諸島ニコバル諸島に囲まれる海域。

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改訂新版 世界大百科事典 「ベンガル湾」の意味・わかりやすい解説

ベンガル湾 (ベンガルわん)
Bay of Bengal

北緯10°以北のインド洋のうち,インド半島の東方に広がる海域。東限はミャンマーのアラカン海岸からアンダマン諸島を結ぶ線で,東西幅の最大は約1300km。したがって湾とは名ばかりで,〈海〉と呼ぶにふさわしい広さと深さ(水深2000~4000m)とを有し,島はない。湾奥にあたる北端ガンガーガンジス)川の三角州によって埋没され,さらにその前面170kmまで大陸棚が横たわる。また,半島部の海岸にもマハナディ,ゴーダーバリー,クリシュナー,カーベーリなどの三角州が並ぶ。9~10月のころ湾上に発生するサイクロンは西進または北西進して,半島部やガンガー川三角州に風水害や高潮災害をもたらす。しかし,湾上を吹きわたる南西および北東モンスーンは広大なインド亜大陸に恵みの雨をもたらす役割を担っており,この湾がインドに与えるプラスの面は計り知れないほど大きい。アラビア海と同じく,古くから海上交易が盛んに行われ,コルカタ(旧カルカッタ),チェンナイ(旧マドラス)をはじめ現在も湾岸に多数の港が立地している。
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百科事典マイペディア 「ベンガル湾」の意味・わかりやすい解説

ベンガル湾【ベンガルわん】

インド洋北西部,インド半島とミャンマー,マレー半島の間の海域。東部にアンダマン諸島,ニコバル諸島があり,湾奥にガンガー川,ブラマプトラ川の大三角州がある。主要港はマドラス,コルカタ(インド),チッタゴンバングラデシュ),シットウェ(ミャンマー)。この湾上に発する季節風(モンスーン)はインド亜大陸に恵みの雨をもたらす。水深は2000〜4100m。
→関連項目インド洋コロマンデル海岸マハナディ[川]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベンガル湾」の意味・わかりやすい解説

ベンガル湾
べんがるわん
Bay of Bengal

インド洋北東部にある大湾。東はミャンマー(ビルマ)とインド領のアンダマン諸島、ニコバル諸島、北はバングラデシュ、西はインドに囲まれ、南西端にセイロン島が位置する。面積220万平方キロメートル。海底は比較的単調で、東部に東経九十度海嶺(かいれい)が南北に直線的な高まりをつくるほかは、ガンジス深海扇状地とよばれる深さ1500~4000メートルの平坦(へいたん)面が広がる。湾奥のガンジス・デルタの沖では100メートル等深線が220キロメートルほど張り出し、かつての陸上水系が沈降した沈水谷がみられる。夏には熱帯低気圧が多く発生し、北東部の沿岸はしばしば被害を受ける。古くから海上貿易が盛んで、湾岸にはインドのコルカタ(カルカッタ)、チェンナイ(マドラス)、バングラデシュのチッタゴンなどの港がある。

中田 高]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベンガル湾」の意味・わかりやすい解説

ベンガル湾
ベンガルわん
Bay of Bengal

インド洋北東部の大湾。西をインド,スリランカ,北をバングラデシュ,東をミャンマーとマレー半島北半部にはさまれる。水深は南部では 3000~4000mだが,北部はガンジス,ブラマプトラ両大河の運ぶ土砂により,著しく遠浅となっている。国際協同観測の結果,ニコバル諸島からスマトラの近くで,北~南インドネシア海溝が発見された。湾奥に開けるガンジスデルタの諸河川の河口を基地とする沿岸漁業が盛ん。9~10月にはサイクロンが発生し,ベンガル地方はしばしば被害をこうむる。バングラデシュのチッタゴン沖では海底油田の開発が進められている。

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世界大百科事典(旧版)内のベンガル湾の言及

【インド洋】より

…面積7491万7000km2,容積2億9194万5000km3,平均水深3897m,最大水深7437mである。付属海は北辺沿いに発達し,西から東へ紅海,アデン湾,ペルシア湾,アラビア海,ベンガル湾とつらなり,ジャワとオーストラリアの間にはチモール海とアラフラ海がある。インド洋中には世界第4の大島マダガスカル島やセイロン島をはじめ,特に西部に島嶼が散在するが,島の数は少ない。…

※「ベンガル湾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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