ベルホヤンスク山脈(読み)ベルホヤンスクさんみゃく(英語表記)Verkhoyansky khrebet

改訂新版 世界大百科事典 「ベルホヤンスク山脈」の意味・わかりやすい解説

ベルホヤンスク[山脈]
Verkhoyanskii khrebet

ロシア連邦,東シベリア北部の大きな山脈サハ共和国に属する。北は北極海岸のレナ川河口三角州南部にはじまり,はじめ南,ついで南東,さらに南に走って,アルダン川流域に終わる。長さ1200km,最高点は中ほどに位置するオルルガン山脈の2389m峰。いくつもの並行する山脈からなる大山系で,最北部はハラウラフ山脈(最高点1429mの中山性山脈),中部のオルルガン山脈,南部のスカリーストゥイ山脈(2102m)ほか,いくつもの高山性,中山性山脈よりなっている。東側山麓はしだいにヤノ・オイミャコン丘陵に移行し,ヤナ川の構造盆地状の平野に下る。山腹の低い部分はミヤマハンノキ属や松などの矮(わい)性の樹林,標高およそ1000mよりも上は山岳ツンドラか裸地が多くなる。金,スズなどの埋蔵が知られているが,多くは未開発である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベルホヤンスク山脈」の意味・わかりやすい解説

ベルホヤンスク山脈
ベルホヤンスクさんみゃく
Verkhoyansky khrebet

ロシア東部,サハ共和国にある山脈。レナ川とその支流アルダン川の流路にほぼ沿って,その右岸に,レナ川三角州からアルダン川支流トンポ川まで約 1200kmにわたって弧状に延びる。幅は 100~250km。レナ=アルダン川水系と,オモロイ,ヤナ,インジギルカ各川の水系の分水嶺をなす。砂岩石灰岩,頁岩,石英岩,花崗岩から成る。平均標高が 1000mをこえる程度の中山性の山脈で,中北部に最高点 (2389m) がある。レナ川,アルダン川に面する斜面は急傾斜するが,反対側の斜面はなだらかである。山頂と北部はツンドラで,低いところと南に向うにつれて低木,カラマツの疎林となり,南西斜面にはモミ林がみられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルホヤンスク山脈」の意味・わかりやすい解説

ベルホヤンスク山脈
べるほやんすくさんみゃく
Верхоянский Хребет/Verhoyanskiy Hrebet

ロシア連邦、東シベリア北部、サハ共和国中央部にある山脈。全長約1200キロメートル、最高点は標高2389メートル。古生代ペルム紀から中生代ジュラ紀にかけての砂岩、片岩、石灰岩、泥岩などからなり、斜面は砕屑(さいせつ)土で山岳ツンドラを呈する。南極大陸を除くと世界でもっとも寒冷な地域で、1月の平均気温は零下36~38℃である。

[津沢正晴]

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