ベル(Alexander Graham Bell)(読み)べる(英語表記)Alexander Graham Bell

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ベル(Alexander Graham Bell)
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Alexander Graham Bell
(1847―1922)

アメリカの電話発明者。スコットランドエジンバラに生まれ、エジンバラ大学で学んだのち、ロンドン大学で医学を研究した。ヘルムホルツの音響学に関心を抱き、1870年、父Alexander Melville Bell(1819―1905)とともにカナダに渡り、1871年アメリカに移住後、音声のメカニズムに興味をもち、やがて電気通信に心をひかれるようになった。父が話術教育家であったので、彼もボストン聾唖(ろうあ)学校を経営し、1873年からボストン大学の音声生理学教授となった。同時に電話の実験を始め、1876年電磁型送受話器の特許を得た。それは送受話器とも、電磁石の極の近くに薄い鉄板を振動しうるように取り付けたもので、音声が振動板を振動させると、誘導電流により受端で音声が再生される。この発明をもとに1877年ベル電話会社(AT&Tの前身)を設立、またこの発明に与えられたボルタ賞を基金としてボルタ研究所(現、ベル研究所)を創設し、聾唖教育に尽力した。そのほか、光線電話の研究(1880)、蓄音機の改良(1887)、飛行機の研究など多方面な業績があり、1882年アメリカに帰化した。

山崎俊雄

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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