ベラスコ・イバラ(読み)べらすこいばら(英語表記)José María Velasco Ibarra

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベラスコ・イバラ」の意味・わかりやすい解説

ベラスコ・イバラ
べらすこいばら
José María Velasco Ibarra
(1893―1979)

エクアドル政治家キトに生まれ、キト大学、パリ大学に学ぶ。国際法、政治理論の学者として著書も多い。1930年代から1970年代にかけて五度大統領となったが、任期を全うしたのは一期のみである。新自由主義者を自認するカリスマ的ポピュリスト(人民主義者)で、民衆の不満に訴え民衆を政治的に動員したが、自らエクアドルの政治的不安定を象徴する存在でもあった。

[乗 浩子]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ベラスコ・イバラ」の解説

ベラスコ・イバラ
José María Velasco Ibarra

1893~1979

エクアドルの大統領(在任1934~35,44~47,52~56,60~61,68~72)。キートに生まれ,1932年下院議員となる。34年保守党から大統領に初当選。以後自由党と交互に政権を担った。弁舌とカリスマ性を武器にキートを中心とする都市民衆を動員して政権を獲得,維持した。保守党に属したが,米州機構(OAS)のキューバ除名に反対するなど,反米民族主義の立場をとった。70年社会危機のなかで学生運動が高まると,憲法を停止,議会を閉鎖して独裁宣言を行ったが,72年クーデタで失脚した。

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百科事典マイペディア 「ベラスコ・イバラ」の意味・わかりやすい解説

ベラスコ・イバラ

エクアドルの政治家。1934年から1968年まで5回にわたり大統領の座についたが,任期を全うしたのは1期のみ。1944年の再選時から〈我にバルコニーを与えよ,しからば統治せん〉の名文句をかかげて保守的政策をとりながら,反米・親キューバ路線をとるなどして大衆人気を集め,長期政権を保った。1972年軍事クーデタで失脚して亡命
→関連項目エクアドル

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベラスコ・イバラ」の意味・わかりやすい解説

ベラスコ・イバラ
Velasco Ibarra, José María

[生]1893.3.19. キト
[没]1979.3.30. キト
エクアドルの政治家。 1934~35,44~47,52~56,60~61,70~72年の5期にわたって大統領となったが,3期目以外はいずれも任期満了前にクーデターなどで解任された。

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