ベニバナ(紅花)(読み)ベニバナ

百科事典マイペディア 「ベニバナ(紅花)」の意味・わかりやすい解説

ベニバナ(紅花)【ベニバナ】

中近東原産のキク科の一〜二年草。高さ1m内外。アザミに似て,葉は互生し,楕円形葉縁にはとげがある。夏,大型の頭花をつけ,花は初めは黄色,のち次第に紅色に変わる。花を採集して乾燥したものを紅花(こうか)といい染料薬用とする。種子の油は紅花油といい,塗料食用,薬用などになる。日本へは6世紀末〜7世紀初め,朝鮮を経て渡来したといわれる。山形県主産地。→
→関連項目草木染染色染料作物

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベニバナ(紅花)」の意味・わかりやすい解説

ベニバナ(紅花)
ベニバナ
Carthamus tinctorius; safflower

キク科の越年草で,西アジア原産。古くから栽培されてきた重要な染料植物で,推古天皇の時代に高麗から日本に伝わったといわれ,染料,化粧料,薬用として栽培されてきた。現在は山形県でわずかに栽培され,同県の県花となっている。草丈は 40~130cmとなり,茎は円筒形で硬く多数分枝する。葉は互生し,葉身は広披針形で葉縁に鋭いとげがある。総包と上部の葉は成熟するにつれてとげ状となる。アザミに似た頭状花は小管状花だけから成り,初め黄色で次第に赤色に変る。花冠を乾かし板餅状に押し固めた商品の「べにばな」は,紅色染料,口紅などの化粧用の紅に使われる。種子は油 (サフラワーオイル) を多く含み,乾性油なので,塗料,石鹸,マーガリンなどに使われることもある。この油を燃やして出たすすからつくる墨は紅花墨と呼ばれ,最高級品とされている。 (→紅花染 )  

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