ベトナム社会主義共和国(読み)ベトナム(英語表記)Vietnam

翻訳|Vietnam

デジタル大辞泉 「ベトナム社会主義共和国」の意味・読み・例文・類語

ベトナム(Vietnam)

インドシナ半島東部にある国。正称、ベトナム社会主義共和国。首都ハノイ国土南北に細長く、ホン川メコン川の両デルタ地帯を中心に水田農業が行われる。北部は鉱物資源に富む。1802年、阮朝げんちょうのもとで統一されたが、1887年以降フランスの保護領となった。第二次大戦中は日本が進駐戦後の1945年、北部にホー=チミン首班とするベトナム民主共和国が独立を宣言し、フランスやその傀儡のベトナム国(南ベトナム)との間にインドシナ戦争勃発。1954年のジュネーブ協定によって北緯17度線を境とした南北分断が確定した。南ベトナムは1955年に米国の支援によりベトナム共和国へと体制が変更。1961年以降、米国および南ベトナム軍と北ベトナムおよび南ベトナム解放民族戦線との間にベトナム戦争が続いたが、北の勝利により1976年に南北の統一が実現。人口9851万(2021)。
[補説]「越南」とも書く。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ベトナム社会主義共和国」の解説

ベトナム社会主義共和国(ベトナムしゃかいしゅぎきょうわこく)
Nuoc Cong Hoa Xa Hoi Chu Nghia Viet Nam

ベトナム戦争終結の結果ベトナムの南北統一が達成されて,1976年に成立した国家。77年に国連加盟を果たすが,70年代末にベトナム軍のカンボジア侵攻インドシナ難民の発生により国際的に孤立し,経済も低迷した。政権を担当するベトナム共産党は86年にドイモイと呼ばれる改革提唱,経済の自由化を進める一方,カンボジア和平を促進し国際的孤立からの脱却を図った。95年にはASEAN(アセアン)加盟,対米国交正常化を実現するなど国際環境は好転し,経済も活性化した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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