ベカー高原(読み)べかーこうげん(英語表記)Bekaa

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベカー高原」の意味・わかりやすい解説

ベカー高原
べかーこうげん
Bekaa

レバノン東部にあって、レバノン山脈アンティ・レバノン山脈の間に横たわる高原。南北長約120キロメートル、東西幅8~15キロメートルで広がり、平均標高約1000メートル。北部にはオロンテス川が北流し、南部ではリタニ川が南流する。気候はかなり乾燥するが灌漑(かんがい)水路が発達し、肥沃(ひよく)な沖積土に恵まれ、小麦、リンゴ、オレンジ、ブドウワタ、野菜などを産する。道路交通の要衝ザフレや、ローマ時代の都市遺跡が所在するバールベックなどの集落がある。バールベックは現在シリアの支配地域で、パレスチナ解放機構PLO)シリア派などの部隊が駐留する。

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出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のベカー高原の言及

【レバノン】より

…人口は推計によるもので,人口調査は1932年にフランスが行ったものを除けば,政治的理由でなされていない。 海岸線に沿って細い平坦地が南北に延びているが,国土の中央をレバノン山脈とシリアとの国境をなすアンチ・レバノン山脈がほぼ並走しており,両山脈の中間に標高約900mのベカー高原がある。ローマ帝国領であった時代には〈ローマの穀倉〉と評されたほどに肥沃で,ブドウ酒も名物であった。…

※「ベカー高原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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