ベイマックス(読み)べいまっくす(英語表記)Big Hero6

知恵蔵 「ベイマックス」の解説

ベイマックス

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ製作のアニメーション映画。2014年10月の第27回東京国際映画祭で上映された後、11月に米国、12月に日本で封切られた。原作は米国のマンガである『ビッグ・ヒーロー・シックス』(マーベルコミックス社)。マンガでは東京が舞台となっているが、映画では東京とサンフランシスコモチーフとした架空の都市「サンフランソウキョウ」が舞台となっている。監督はドン・ホールとクリス・ウィリアムズ。
14歳の天才少年ヒロは幼い頃に両親を亡くし、兄タダシと暮らしていたが、謎の事故により兄は死んでしまう。そこに兄が開発した癒しロボット「ベイマックス」が現れ、交流が始まる。ベイマックスは風船のように膨らみ、白い巨体で苦しんでいる人々を包み込んで回復させてくれるケア・ロボットであり、ヒロはベイマックスの包容力によって兄の死のショックから立ち直る。元気になったヒロは兄の死に不可解な点があると気付き、ベイマックスと一緒に死の真相を追うというストーリー。
米国発のディズニーによる長編アニメーション映画だが、作品には随所に日本を意識した表現が見られる。舞台となっている「サンフランソウキョウ」は架空の都市という設定だが、漢字看板、かわら屋根など、日本の風景が作品に取り入れられている。ベイマックスの頭部は原作では戦隊もののような印象だったが、映画では神社の拝殿に掲げられている大きな鈴をモチーフとする丸みを帯びた形になった。ストーリーもロボットが敵を倒す「ヒーローもの」から主人公とロボットの心の交流に主題を置く内容に変更した。少年を救うロボットという内容は、日本の人気マンガ『ドラえもん』にも通じる部分がある。日本は子どもだけでなく大人にもアニメ・マンガ文化が浸透しており、日本というマーケットターゲットにした作品を作ったことがうかがえる。
興業通信社シネマランキングによると、14年2月2日までに映画「ベイマックス」の興行収入は5週連続で1位を獲得、累計動員は590万人、累計興収は75億円を突破した。第87回アカデミー賞長編アニメーション映画賞受賞。

(若林朋子 ライター/2015年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

知恵蔵mini 「ベイマックス」の解説

ベイマックス

2014年12月20日に日本公開された米国ウォルト・ディズニー・スタジオによる3DCGアクション・ファンタジー映画。原題は「BIG HERO 6」。監督ドン・ホール/クリス・ウィリアムズ、脚本ロバート・L.ベアード/ダニエル・ガーソン、音楽ヘンリー・ジャックマン。白くて風船のように柔らかい純粋無垢で優し過ぎるロボット「ベイマックス」と、心に傷をもつ天才少年「ヒロ」との交流を中心に描く。15年1月4日時点で、日本における観客動員数は326万2260人、興行収入41億4533万9200円。「アナと雪の女王」に次ぐディズニー・アニメーション史上歴代2位のペースで興行収入40億円を突破した。

(2015-1-8)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「ベイマックス」の解説

ベイマックス

2014年製作のアメリカ映画。原題《Big Hero 6》。監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ、声の出演:スコット・アツィット、ライアンポッター、T・J・ミラー、ジェイミー・チャンほか。少年とケアロボットの絆と冒険を描いたディズニーの3DCGアニメーション。第87回米国アカデミー賞で長編アニメーション映画賞受賞。

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