ヘンリー4世(読み)ヘンリーよんせい(英語表記)Henry IV

改訂新版 世界大百科事典 「ヘンリー4世」の意味・わかりやすい解説

ヘンリー[4世]
Henry Ⅳ
生没年:1366-1413

ランカスター朝初代のイングランド王。在位1399-1413年。ランカスター公ジョン・オブ・ゴーントの長子。1398年従兄リチャード2世により国外に追放されたが,父の死(1399)後,国王が没収した遺産返還を要求して帰国諸侯支持,多数の家臣の支援を得て王位奪した。治世前半には相次ぐ反乱,財政危機,議会の政府批判に悩んだが,次々に問題を解決し,ランカスター朝の基礎をおいた。対外的には対仏和平政策を継続。また,ロラード派を弾圧した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘンリー4世」の意味・わかりやすい解説

ヘンリー4世
ヘンリーよんせい
Henry IV

[生]1366.4.3. リンカーンシャー,ボリングブローク城
[没]1413.3.20. ロンドン
イギリスランカスター朝初代のイングランド王 (在位 1399~1413) 。国内最大の領主ランカスター公ジョン・オブ・ゴーントの子。 1399年ランカスター家の財産を没収したリチャード2世対抗,議会の承認を得て王の廃位を宣言,彼の後継者として即位。在位中は暗殺のおそれや反乱など,常に動揺に苦しめられた。スコットランドウェールズとの国境地方の劫略,リチャード2世派の反乱 (1400) ,ノーサンバーランド家の H.パーシーとウースター伯トマスの反乱 (03) などのほかに,政府の財政操作の不手ぎわから議会が国王に王国財政の決算の公開を迫ることもあった。

ヘンリー4世
ヘンリーよんせい
Henry IV

イギリスの劇作家シェークスピア史劇。2部。 1597年頃の執筆。主としてホリンシェッドの『年代記』 (第2版,1587) に材を取り,ウェールズの反乱とホットスパー謀反,シュリューズベリーの戦いなどの史実と,放蕩者の王子ハル (のちのヘンリー5世) とその無頼の仲間フォールスタッフたちが繰広げる喜劇的な世界とが,巧みに融合して展開する。この作品の魅力は,大言壮語する陽気な肥満漢フォールスタッフの活躍にある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

367日誕生日大事典 「ヘンリー4世」の解説

ヘンリー4世

生年月日:1366年4月3日
ランカスター家出身の初のイングランド王(在位1399〜1413)
1413年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android