ヘロン[アレクサンドリア](英語表記)Hērōn of Alexandria

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ヘロン[アレクサンドリア]
Hērōn of Alexandria

前 100年頃在世したギリシアの数学者,発明家。幾何学測量法,機械学,気体装置などに関する著書が現存する。幾何学で最もよく知られた業績は,三角形の3辺の長さをそれぞれ abc として 2sabc とおけば,その面積 S で与えられるというヘロンの公式の導出であろう。技術の分野では,天体観測器械ディオプトラの測量器具への改良,コインで動く自動機械,水オルガン歯車を利用した重量物取扱い機,サイホンなどのほか,おもちゃ用でしかなかったが,ヘロンの蒸気タービンなどがある。彼の発明には娯楽用のものが多かったが,実生活に役立ったものも多い。ユークリッド原本』の注釈を書いており,ラテン語アラビア語に翻訳されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android