ヘルモゲネス(英語表記)Hermogenēs

改訂新版 世界大百科事典 「ヘルモゲネス」の意味・わかりやすい解説

ヘルモゲネス
Hermogenēs

前2世紀に活躍したヘレニズム期ギリシア建築家生没年不詳。プリエネあるいはアラバンダの出身といわれる。テオスのディオニュソス神殿,マグネシアアルテミス神殿,プリエネのアテナ神殿の祭壇等を建てた。ウィトルウィウスは〈イオニア式オーダー〉の比例創始者とする。ウィトルウィウスがその著書に引用したため,ルネサンスから現代に至るまで,ギリシアの最も重要な建築家の一人とみなされている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘルモゲネス」の意味・わかりやすい解説

ヘルモゲネス
Hermogenēs

前 150年頃に活躍したギリシアの建築家。ヘレニズム時代のイオニア式建築の主唱者。テオスのディオニュソス神殿やマグネシアのアルテミス神殿などが彼に帰されている。主著に造形理論を述べた"Progymnasmata"がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のヘルモゲネスの言及

【建築家】より

…この建物は,古代エジプトにおいてもすでに不滅の傑作と見なされていたようで,イムヘテプはやがて神格化され,建築家の守護神と見なされた。古代ギリシアでは,サモスのヘラ神殿を建て,それについて最古の建築書を書いた前6世紀の建築家サモスのテオドロスTheodōros,前5世紀にアテナイのアクロポリスの再建計画で活躍したイクティノスカリクラテスムネシクレス,疑似二重周柱式イオニア神殿の考案者である前2世紀のプリエネの建築家ヘルモゲネスが著名である。ヘルモゲネスの建築書は,建造物のつくり方に数学的法則性を与えたものとして知られ,ローマの建築家たちに大きな影響を与えた。…

※「ヘルモゲネス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android