ヘキサヒドロキソ白金(Ⅳ)酸(塩)(読み)ヘキサヒドロキソハッキンサンエン

化学辞典 第2版 の解説

ヘキサヒドロキソ白金(Ⅳ)酸(塩)
ヘキサヒドロキソハッキンサンエン
hexahydroxoplatinic(Ⅳ) acid(hexahydroxoplatinate(Ⅳ))

白金酸(塩)ともいう.
酸:H2[Pt (OH)6](299.14).H2PtCl6水溶液に過剰のNaOHを加えて煮沸後,冷却し,酢酸で中和すると沈殿物として得られる.ほとんど正八面体型の[Pt(OH)6]が,K2[PtCl6]に近い配列をしている.各[Pt(OH)6]間には,水素結合がある.Pt-O約1.99~2.00 Å.正八面体型の頂点間距離約2.6 Å.水に難溶,アルカリに溶解してM2[Pt(OH)6]を,酸に溶解して [PtX6]2- を生じる.120 ℃ でH2[PtO3]になり,さらに熱するとPtO2になる.[CAS 19559-03-6].
塩:M2[Pt(OH)6](M = アルカリ金属,アルカリ土類金属,Agなど).たとえば,アルカリ金属塩は,H2PtCl6またはPtCl4の水溶液に水酸化アルカリを加えて加熱するか,H2[Pt(OH)6]を水酸化アルカリで中和するか,Pt O2と水酸化アルカリを溶融すると得られる.正八面体型の [Pt(OH)6]2- を含む.たとえば,Ba[Pt(OH)6]は単斜晶系で,Pt-O約1.96 Å.Na2[Pt(OH)6]は三方晶系で,Pt-O約2.06 Å.K2[Pt(OH)6]は三方晶系で,Pt-O約1.91 Å.アルカリ金属塩は黄色結晶で,水に可溶.水溶液はアルカリ性を示す.酸を加えると分解する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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