プレーリードッグ(英語表記)prairie dog

翻訳|prairie dog

精選版 日本国語大辞典 「プレーリードッグ」の意味・読み・例文・類語

プレーリー‐ドッグ

〘名〙 (Prairie dog) リス科の哺乳類体長約三〇センチメートル、尾長約一〇センチメートル。体色は背が褐色、腹は白色を帯びる。北アメリカプレーリーにすみ、犬に似た鳴き声を発する。地下トンネル網を掘って集団で暮らし、しばしば穴の出入り口後肢で立ち上がって見張りをする。

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デジタル大辞泉 「プレーリードッグ」の意味・読み・例文・類語

プレーリー‐ドッグ(prairie dog)

リス科の哺乳類。体長約30センチ、尾長約10センチ。全体に褐色。北アメリカのプレーリーに分布し、地下にトンネルを掘りめぐらし、集団で暮らす。穴の出入り口に後肢で立ち上がって見張り、敵が近づくと、犬に似た鋭い鳴き声をだす。

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改訂新版 世界大百科事典 「プレーリードッグ」の意味・わかりやすい解説

プレーリードッグ
prairie dog

北アメリカのプレーリーに,複雑な構造の巣穴を掘って,大きな集団ですむジリスに似た草食性のリス類。齧歯(げつし)目リス科Cynomys属の哺乳類の総称。ジリスよりも体つきがいっそう太くがっしりしていて,四肢は短く,手足つめは強大。耳は小さく,尾は短いなど,地下生活に適した体をしている。危険が迫るとするどい声でなくのでdogの名がある。北アメリカ中央部のグレートプレーンズにすむ代表種,オグロプレーリードッグC.ludovicianusほか計5種が,モンタナからメキシコにかけて分布する。どの種もたいへんよく似ている。体色は褐色ないし茶色。体長28~33cm,尾長3~11.5cm,体重0.7~1.4kg。

 ふつう8頭前後の個体が共同生活する〈コテリーcoterie〉とよばれる集団がそれぞれになわばりを接して,巣穴をきずき,全体では数十万~数百万の個体数をもつ〈タウンtown〉となる。かつては6万4000km2にわたって広がり,個体数4億を擁するタウンも存在した。巣穴は直径10~15cm,深さ1~5m,長さ4~34mのトンネルと,直径30~45cmの巣室からなる。雌は年1回春に,1産2~10子,ふつう4子を生む。20世紀に入って牧草などを食害する害獣とみなされるようになり,駆除された結果,個体数が大幅に減っている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プレーリードッグ」の意味・わかりやすい解説

プレーリードッグ
ぷれーりーどっぐ
prairie dog
barking squirrel
[学] Cynomys ludovicianus

哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目リス科の動物。北アメリカの草原(プレーリー)にすみ、イヌに似た鳴き声を発することからこの名をもつ。カナダ南部からメキシコ北部に分布する。体長30センチメートル、尾長10センチメートル。姿は近縁のジリスに似るが、やや大形で、頑丈な体をもち、四肢と尾は短い。体色は、背側が黄灰色から赤褐色、腹側は白色を帯びる。地中に広さ数十キロメートル四方に及ぶトンネル網を掘り、数万個体からなる大群ですみ、町(タウン)をつくる。町の内部では、成獣と幼獣の合計10~十数頭の小群(コテリー)がおのおの一定の縄張りを占め、隣り合ってすむ。巣穴の出入口には掘り出された土で円錐(えんすい)形の塚が築かれ、プレーリードッグはたびたびこの上に座り、危険を感じると即座に巣穴に飛び込む。昼行性で、草本類を食べる。雌は約30日の妊娠期間ののち、3~4月に1産4~6子を産む。オジロプレーリードッグC. gunnisoniなど数種の近縁種がある。なお、日本では2003年(平成15)3月1日よりペストの国内への侵入防止を目的としてプレーリードッグの国内への輸入を禁止している。

[今泉吉晴]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プレーリードッグ」の意味・わかりやすい解説

プレーリードッグ
Cynomys ludovicianus; prairie dog

齧歯目リス科。体長 25~40cm,尾長7~11cm。体がずんぐりした四肢の短い動物で,鳴き声が犬のそれに似るのでその名がある。地下にトンネルを掘ってすみ,多いときは数千頭が集って地下街を形成するので有名。トンネルは直径 15cmぐらいで,入口からほぼ垂直に3~5m掘られ,それからさらにいくつかの横穴がつくられる。昼間活動し,穴から出て植物質を食べる。ときどき後肢で立って伸び上がり見張りをする。北アメリカ中部に分布し,短い草が生える低地の草原や高地の草原にもすむ。

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