日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブロア(フランス)」の意味・わかりやすい解説
ブロア(フランス)
ぶろあ
Blois
フランス中部、ロアール・エ・シェル県の県都。人口4万9171(1999)。パリの南西177キロメートル、ロアール川右岸に位置する。6世紀以来の伯爵領で、ルイ12世により王領となり、16世紀から王家が好んで居住した。ロアール川沿いに建つブロア城は、歴代の領主の増改築(13~17世紀)により、ゴシック、ルネサンス、古典と三つの建築様式が同時にみられる。司教区が置かれ、サン・ルイ大聖堂(17世紀)、ロマネスク・ゴシック様式のサン・ニコラ教会などが残る。16世紀、三部会が二度当地で開催された。アンリ3世によるギーズ公アンリ暗殺事件(1588)の場所としても有名。従来からの行政・商業機能の強化に加えて、ロアール川城巡りの中心地としての観光地化、機械、電気機械、印刷、チョコレート製造などの工業化によって、人口が増加した。
[高橋伸夫]