ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブルーネル」の意味・わかりやすい解説
ブルーネル
Brunel, Isambard Kingdom
[没]1859.9.15. ウェストミンスター
イギリスの造船・土木技術者。フランス留学後,父が指揮をとっていたテムズ川底トンネル,架橋,鉄道などの建設に技師として従事 (1825~28) 。その後各地の造船所の改良・設計にたずさわった。 1833年グレート・ウェスターン鉄道会社主任技師。広軌道を導入したほか,イギリス,アイルランドの 1600kmに及ぶ鉄道建設・架橋,イタリア,オーストリア,インドの西ベンガルなどの鉄道建設にも貢献。また造船技術者としても,37年世界最初の大西洋横断定期汽船『グレート・ウェスタン』号を建造,43年にスクリュー・プロペラ船『グレート・ブリテン』号,58年に『グレート・イースタン』号を設計,建造した。特に『グレート・イースタン』号は外車輪,スクリュー,帆を使い,2万 7000排水tという世界一周も可能な大型船で,石炭の消費量が大きすぎて実用にならなかったものの,大西洋横断の電信ケーブルの敷設に利用され,外洋航海の技術的躍進に大きな足跡を残した。
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